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令和版・霊界物語ー救国伝奇小説ー

第0章 第22節 塾長の独白録エピローグー至誠至心の誓いと救国への魂の宣誓ー

・・・・・・書き終えた。俺は使い込まれた万年筆をデスクに置くと、椅子の背もたれに深く体を預けた。カチ、カチ・・・・と、書斎の古い時計が刻む音だけが、莉緒との熱を帯びた追憶を冷たい「今」のこの現実へと引き戻していく。俺はふと引き出しの奥で眠っ...
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第0章 第21節 日本という名の温もり ― 莉緒の腕と救国の誓い② ―

違う。痛いのは、お前のせいじゃない。俺は何も言えずに、ただこの小さな、尊い温もりを再び強く抱きしめ返した。すると、莉緒がまた、あの無敵の笑顔で言うんだ。「せんせえ! いたいよ・・・。」「・・・・でも、次はりおが、ぎゅーってしてあげるねっ!」...
令和版・霊界物語ー救国伝奇小説ー

第0章 第20節 日本という名の温もり ― 莉緒の腕と救国の誓い① ―

莉緒は、俺の話を何でも聞いてくれた。せがまれるまま俺はいろいろな話をした。武術の理(ことわり)、神々の系譜、人体という小宇宙の構造・・・・。正直、内容なんて二の次だったのかもしれない。俺を見つめる、あの大きなくりくりした瞳、熱心に頷く小さな...
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第0章 第19節 至誠の残響と「嘘」の報酬 ― 祈りの転写④ ―

俺は施術着のポケットに忍ばせていた「あの封筒」に手をかけた。そして一瞬、逡巡した。だが俺はそれを莉緒の小さな、温かい掌にそっと握らせたんだ。「・・・・莉緒。これは、今日のお前の頑張りへの報酬だ。取っておけ。お父さんには内緒だ。」こっそりと莉...
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第0章 第18節 至誠の残響と「嘘」の報酬 ― 祈りの転写③ ―

翌日、稽古を終えた莉緒が、例のごとく足を引きずりながら治療院に現れた。「せんせー! 今日もがんばったよ! 空気椅子、一秒も負けなかったもん!」顔を真っ赤にして、自慢げに胸を張る莉緒。だがその細い足は、まだ生まれたての小鹿のようにプルプルと震...
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第0章 第17節 至誠の残響と「嘘」の報酬 ― 祈りの転写② ―

だからなのかな・・・・治療院に莉緒が来た時だけは、俺はあの子をまるで我が子のように可愛がった。勘違いして欲しくはないのだが、甘やかすだけの「猫かわいがり」じゃないぞ?俺が本当なら自分の子供に伝えてやりたかった「日本の原風景」・・・・・日本人...
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第0章 第16節 至誠の残響と「嘘」の報酬 ― 祈りの転写① ―

・・・・俺はな、嫁に逃げられている。子供も二人いた。だが、元嫁が連れて俺の前から消えた・・・・。あの子たちとは物心ついたころ、言葉の意味も、親の顔も知らない時に別れたきりだ。それ以来、ずっと会えていない。元嫁とはコンタクトすら取れず、子供た...
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第0章 第15節 至誠の残響と魂の転写-「敗北感」という慈愛③-

そうだよ。俺は莉緒が愛おしくてならなかった。できることならその場で抱きしめて、その至誠を讃えてやりたかった。だが俺は道場では「先生」だ。他の門下生の目がある。俺は震える心の仮面を厚く塗り固め、今日も莉緒に、あえて冷たく「先生として」厳しい言...
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第0章 第14節 至誠の残響と魂の転写-「敗北感」という慈愛②-

莉緒はドンくさかった。はっきり言って武術のセンスはない。だが、練習だけは誰よりも「烈しかった」。気合の声一つとってもそうだ。皆が揃って「オー!」と野太い声を出す中で、莉緒だけは勢いあまって声がひっくり返ってしまってな、甲高い「きょぉー!!!...
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第0章 第13節 至誠の残響と魂の転写-「敗北感」という慈愛①-

莉緒はな、俺の治療院に治りに来るんじゃない。あれは未知の情報、新しい世界へ掻き立てられる好奇心に「わくわく」しに来てたんだな、今思うとな・・・・(遠い目)一生懸命、外の世界への好奇心の羽を伸ばす、まだ羽ばたくことすら知らぬ雛鳥のようなもの、...