「りおちゃん・・・・・今日わたしの・・・・・おともだちになってくれた・・・・・。
りおちゃん・・・・わたしのたからもの・・・・・見たくない?」
「えっ!!!なに!なに!!せおりちゃんのたからもの?!見たい!見たい!!」
「・・・・・・・今はだめなの。あした、ここに来てくれる?」
「うんっ!いいよっ!!あしたかー。たのしみだなっ!」
「・・・・・わたしも・・・・・たのしみ・・・・・りおちゃんもよろこんでくれるといいな・・・・・。」
「うんっ!!りおっ!たのしみにしてるよ!じゃっ!またあしたねーっ!」
莉緒は瀬織に背を向けると一目散に神域の入口、鳥居まで駆けていった。そして、鳥居で振り返るといつもやっているように、深々と拝殿に向かって元気よくおじぎをした。頭を上げたその目線の先には瀬織がいる。
「せおりちゃぁーん!まーたーねー!!」
元気よく声を張り上げ、片手を頭上にかかげブンブン振ると、再び回れ右をして、走り去っていったのである。
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「・・・・・・・イセポ、いる?」
「はい、瀬織様、イセポはこちらにいますよ。」
「・・・・・・・わたし、今日、とっても元気なおともだち、できちゃった・・・・・・えへへへ。」
「イセポも見ておりました。莉緒様。お元気な方です。いつもこの神域でわたしたちに礼を尽くしてくださいます。今の莉緒様には私は見えてはおらぬようですが・・・・・」
「・・・・・・イセポ、ごめんね。あなたにだまって、りおちゃんとやくそくしちゃった・・・・・あなたをみせてあげる、って・・・・・」
「いいのですよ。あなたの友達は私の友達、でもあります。莉緒様はわれわれが見えるのですから。」
「・・・・・イセポ、私、りおちゃんに「変な子」って思われないかな?」
「大丈夫です。莉緒様は瀬織様と同じ魂の調べをまとっておられます。だからこそ、莉緒様は瀬織様の「お友達」になってくださったのです。いつも通りにしてくだされば、莉緒様の目は私を見ることが出来ますよ。心配には及びません。」
「・・・・・大丈夫かな?・・・・・」
「大丈夫、ですよ。瀬織様。あなたはかつてわたしたちの欠片をあつめて、私を形作ってくださった。わたしたちはあなたの魂の調べの涼やかさに惹かれて集まったのです。それにエゾユキウサギの「イセポ」としての個性を下さり、この世に顕してくださったのが、瀬織様、あなた様です。あなた様と同じ魂の調べをまとっておられる莉緒様には必ず見えますよ。うふふふふ。」
神域の一角でたたずむ彼女のふところには、常人には見えぬ「雪うさぎ」がいた。
その毛並みを愛でるように瀬織は問いを投げ続ける。
傍目には「アブナイ子」「不思議ちゃん」扱いされるのだろうが、彼女の腕の中には、温もりとともに彼女の語りに答えてくれる「ともだち」イセポが、確かにいたのである。

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